「親が亡くなり、実家に車が残されたままになっている」「相続手続きをしようとしたら、相続人である兄弟も亡くなってしまい、どうすればいいか分からない…」

ご家族が亡くなられた後の煩雑な手続きの中でも、自動車の相続は特に後回しにされがちです。しかし、放置すれば自動車税がかかり続け、いざ処分しようとした時には手続きがさらに複雑化している、というケースは少なくありません。

この記事では、故人名義の車をどう扱えばよいのか、その基本から解説します。

さらに、相続が複数回重なってしまう「数次相続(すうじそうぞく)」という、最も複雑なケースについても、誰にでも分かるように手続きの進め方や書類の書き方を具体的にガイドしていきます。

この記事を最後まで読めば、途方に暮れていた車の相続問題について、あなたが今何をすべきかが明確になり、損をせず、スムーズに手続きを終えるための道筋が見えるはずです。

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タップできる目次
  1. 【大前提】故人の車は相続財産!手続きの基本フローと注意点
  2. 故人の車を処分する3つの方法|ケース別メリット・デメリット
  3. 最も複雑な「数次相続」とは?手続きが難航する理由を解説
  4. 【書類完全マニュアル】相続状況別の必要書類一覧
  5. 【テンプレート付】遺産分割協議書の書き方|通常相続・数次相続
  6. 廃車・売却で戻ってくるお金は?税金・保険の還付金手続きガイド
  7. 相続手続きと車の処分にかかる費用はいくら?
  8. 手続きが複雑で進まない…状況別・専門家の選び方と相談先
  9. まとめ

【大前提】故人の車は相続財産!手続きの基本フローと注意点

まず最初に、絶対に知っておかなければならない大原則からお話しします。故人が所有していた車は、預貯金や不動産と同じ「相続財産」です。このことを理解せずに進めると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

勝手な処分はNG!自動車の所有権は相続人全員にある

故人の車は、遺産分割協議が完了するまで、法律上「相続人全員の共有財産」となります。たとえ長年同居していた家族であっても、一人の判断で勝手に売却したり廃車にしたりすることはできません。

もし他の相続人の同意を得ずに処分してしまった場合、後からその車の価値に相当する金銭を請求されるなど、深刻な親族間トラブルの原因になります。必ず相続人全員で話し合い、誰が車を相続するのか、あるいは売却・廃車して金銭で分けるのかを決定する必要があります。

注意点:トラブルの火種になる「勝手な処分」
「誰も乗らないし、古くて価値もないから」と安易に解体業者に引き渡してしまうのは非常に危険です。後から「本当は価値があったのではないか」「形見として乗りたかった」と他の相続人から言われても、車はもう戻ってきません。必ず全員の合意形成を最優先してください。

「名義変更 → 処分」が鉄則|相続手続きの基本的な流れ

故人の車を売却・廃車にするための基本的な流れは、「相続人への名義変更(移転登録)を行ってから、処分する」というものです。いきなり故人名義のまま売買することはできません。

手続きの大きな流れは以下の通りです。

車の相続手続き 基本の4ステップ
  • ステップ1:相続人の確定
    故人の戸籍謄本類を取り寄せ、誰が法的な相続人なのかを全員確定させる。
  • ステップ2:遺産分割協議
    相続人全員で話し合い、車の所有者を一人に決める。決まった内容を「遺産分割協議書」にまとめる。
  • ステップ3:必要書類の収集
    運輸支局での手続きに必要な書類(印鑑証明書など)を全員分集める。
  • ステップ4:名義変更(移転登録)と処分
    運輸支局で新しい所有者へ名義変更し、その後、売却や廃車の手続きを行う。

この流れが基本となりますが、後述するように「永久抹消登録(解体)」の場合のみ、名義変更を省略できる例外もあります。

まずは相続人の確定から|戸籍謄本類の集め方とポイント

相続手続きの第一歩は、「誰が相続人なのか」を法的に証明することです。そのために、故人(被相続人)の「出生から死亡まで」の連続した戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本をすべて集める必要があります。

これらの書類は、故人の本籍地があった市区町村役場で取得します。結婚や転籍で本籍地が変わっている場合は、それぞれの役場に請求する必要があるため、想像以上に手間と時間がかかる作業です。

なぜ出生まで遡るの?
「亡くなった時の戸籍だけで良いのでは?」と思うかもしれませんが、それでは不十分です。過去に離婚歴があり、前の配偶者との間に子供(認知した子を含む)がいる可能性などを完全に排除するために、出生まで遡ってすべての身分関係を証明する必要があるのです。この作業を怠ると、後から新たな相続人が現れて手続きが全てやり直しになるリスクがあります。

この戸籍集めが、相続手続きにおける最初の、そして最大の関門とも言えます。時間がない、あるいは手続きが複雑でよく分からないという方は、この段階から行政書士などの専門家に依頼することも有効な選択肢です。

故人の車を処分する3つの方法|ケース別メリット・デメリット

相続人全員の合意が取れたら、次はいよいよ具体的な処分方法を決めます。故人の車を処分する方法は、大きく分けて3つあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に最も合った方法を選びましょう。

方法①:代表相続人へ名義変更してから売却・廃車する(最も確実)

最も正攻法で、あらゆるケースに対応できるのがこの方法です。遺産分割協議で決めた代表の相続人(例えば、手続きの中心となる長男など)に一度名義変更(移転登録)を行います。その上で、新しい所有者となった相続人が自身の意思で中古車買取店に売却したり、廃車手続きを行ったりします。

メリット

  • 手続きが最も正統で、法的にクリーン。
  • 中古車として価値がある場合、名義変更後にじっくりと高く売れる先を探せる。
  • 売却、廃車、譲渡など、名義変更後の選択肢が自由。

デメリット

  • 運輸支局での名義変更手続きを自分で行う手間がかかる。
  • 名義変更に必要な書類(車庫証明書など)を用意する必要がある。

この方法は、特に車にまだ中古車としての価値があり、少しでも高く売りたいと考えている場合におすすめです。

方法②:買取業者に依頼し、名義変更と売却を同時に進める(手間が少ない)

「平日に運輸支局へ行く時間がない」「書類集めが面倒」という方に最もおすすめなのがこの方法です。相続手続きに対応している自動車買取業者に依頼すれば、煩雑な名義変更手続きと売却(または廃車)手続きをワンストップで代行してくれます。

相続人は遺産分割協議書や戸籍謄本、印鑑証明書といった基本的な書類を用意するだけで、残りの作業はほとんど業者に任せることが可能です。

メリット

  • 運輸支局へ行く必要がなく、時間と手間を大幅に削減できる。
  • 必要書類についてのアドバイスをもらえ、不備なくスムーズに進められる。
  • 売却代金が受け取れ、廃車費用を請求される心配がない。動かない車でもレッカー代無料で引き取ってもらえることが多い。

デメリット

  • 業者によって対応範囲や買取価格が異なるため、信頼できる業者を選ぶ必要がある。

特に、動かない車の撤去費用を払うのは待って!レッカー代を1円もかけずに「現金」を受け取るための逆転発想のようなケースでは、レッカー手配なども含めて丸投げできる専門業者が非常に頼りになります。

方法③:名義変更を省略して直接「永久抹消」する(解体が前提)

これは少し特殊なケースです。車が古かったり、事故で大破していたりして、中古車としての価値が全くなく、解体処分することが確定している場合に限られます。この「永久抹消登録」という手続きであれば、相続人への名義変更を省略し、故人名義のまま直接廃車にすることが可能です。

ただし、「名義変更を省略できる」といっても、相続人全員の同意を証明する遺産分割協議書や戸籍謄本類が不要になるわけではありません。あくまで運輸支局での移転登録の手間が一度省けるだけ、と理解してください。

メリット

  • 運輸支局での名義変更(移転登録)の手間が一度で済む。

デメリット

  • 中古車として売却する場合はこの方法は使えない。解体が前提。
  • 結局、相続関係を証明する書類(遺産分割協議書など)はすべて必要になる。
  • 解体業者への引き渡しや、運輸支局での手続きは自分で行う必要がある。

この方法は手間が省けるように見えますが、実際には書類収集の手間は変わらないため、メリットは限定的です。解体が決まっている車でも、方法②の買取業者に依頼すれば、鉄資源としての価値で買い取ってもらえることが多いため、結果的にそちらの方がお得になるケースがほとんどです。

最も複雑な「数次相続」とは?手続きが難航する理由を解説

ここからは、相続手続きの中でも特に難易度が高い「数次相続(すうじそうぞく)」について解説します。もしあなたのケースがこれに当てはまるなら、手続きが格段に複雑になるため、しっかり理解しておく必要があります。

図解でわかる!「祖父→父→自分」のような数次相続の具体例

数次相続とは、最初の相続(一次相続)の遺産分割協議が終わらないうちに、相続人の一人が亡くなってしまい、次の相続(二次相続)が発生してしまう状態を指します。

言葉だけだと分かりにくいので、具体的な例で見てみましょう。

【数次相続の具体例】

  1. 祖父(Aさん)が亡くなり、Aさん名義の車が遺された。(一次相続の開始
  2. Aさんの相続人は、妻である祖母と、長男である父(Bさん)の2人だった。
  3. しかし、車の遺産分割協議をしないうちに、父(Bさん)が亡くなってしまった。(二次相続の開始
  4. 父(Bさん)の相続人は、妻である母と、子である自分(Cさん)の2人。
この場合、父(Bさん)が持っていた「祖父Aさんの車を相続する権利」を、母と自分(Cさん)が引き継ぐことになります。結果として、祖父の車を処分するためには、祖母、母、自分(Cさん)の3人全員の同意が必要になるのです。

このように、関係者がどんどん増えていくのが数次相続の難しい点です。

なぜ必要書類が膨大に?第一次・第二次相続の証明が必要になる

数次相続の手続きがなぜこれほど複雑になるのか。その理由は、「誰が正当な相続人なのか」を証明するために、一次相続と二次相続、両方の相続関係をすべて書類で立証しなければならないからです。

先の例で言えば、以下の2点を証明する必要があります。

  • 一次相続の証明:祖父(Aさん)が亡くなり、その相続人が祖母と父(Bさん)であることを証明する。
  • 二次相続の証明:父(Bさん)が亡くなり、その相続人が母と自分(Cさん)であることを証明する。

これを証明するために、亡くなった祖父(一次被相続人)と、亡くなった父(二次被相続人)のそれぞれについて、「出生から死亡まで」の連続した戸籍謄本類がすべて必要になります。関係者が一人増えるだけで、集めるべき書類は倍近くに膨れ上がるのです。

数次相続が発生した場合の遺産分割協議の進め方と注意点

数次相続における遺産分割協議は、現時点で生存しているすべての相続関係者で行う必要があります。

先の例では、祖母、母、自分(Cさん)の3人で話し合い、誰が祖父の車を相続するのか(または売却してどう分けるのか)を決めなければなりません。もし、自分(Cさん)が代表して車を相続することになった場合、その旨を記載した遺産分割協議書を作成し、祖母、母、自分(Cさん)の3人全員が署名し、実印を押印する必要があります。

関係者が遠方に住んでいたり、関係性があまり良くなかったりすると、この合意形成と実印をもらう作業が非常に難航することがあります。

【書類完全マニュアル】相続状況別の必要書類一覧

ここでは、実際に運輸支局で名義変更(移転登録)を行う際に必要となる書類を、状況別に整理してご紹介します。ご自身のケースに合わせて確認してください。

【共通】どんなケースでも絶対に必要になる基本書類リスト

以下の書類は、どのような相続の形であっても必ず必要になるベースの書類です。

書類名入手場所・備考
自動車検査証(車検証)通常、車のグローブボックスなどに保管されています。万が一、車検証を紛失したボロボロの車でも廃車できる?など見当たらない場合は、再発行の手続きが必要です。
故人(被相続人)の死亡がわかる戸籍謄本または除籍謄本故人の本籍地があった市区町村役場
相続人全員が確定できる戸籍謄本故人の「出生から死亡まで」の連続した戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本。すべての相続人が記載されている必要があります。
車を新たに所有する相続人の印鑑証明書新所有者の住所地の市区町村役場(発行後3ヶ月以内のもの)
車を新たに所有する相続人の実印申請書への押印に使用します。
車庫証明書(自動車保管場所証明書)新所有者の住所を管轄する警察署(発行後おおむね1ヶ月以内のもの)。※使用の本拠の位置が変わらない場合は不要なこともあります。
手数料納付書運輸支局の窓口で入手
申請書(OCRシート第1号様式)運輸支局の窓口で入手、またはWebサイトからダウンロード
ナンバープレート管轄の運輸支局が変わる場合(例:品川ナンバー→横浜ナンバー)は、当日車両を持ち込む必要があります。

【通常相続】相続人が一人の場合/複数の場合の追加書類

法定相続人が一人のみ(例えば、配偶者のみ、子が一人のみなど)の場合は、上記の基本書類だけで手続きが可能です。しかし、相続人が複数いる場合は、追加で以下の書類が必要になります。

【相続人が複数いる場合に必要な追加書類】

  • 遺産分割協議書
    相続人全員が「誰か一人がこの車を相続することに合意しました」と証明する書類。相続人全員の署名と実印の押印が必須です。
  • 相続人全員の印鑑証明書
    遺産分割協議書に押された実印が本人のものであることを証明するために必要です。(発行後3ヶ月以内のもの)

【数次相続】ケース別に集めるべき戸籍謄本と証明書を徹底ガイド

数次相続が発生している場合は、上記に加えてさらに多くの戸籍謄本類が必要になります。これは前述の通り、第一次相続と第二次相続の両方の関係性を証明するためです。

【数次相続で追加が必要になる書類】

  • 第一次被相続人(例:祖父)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本類
  • 第二次被相続人(例:亡くなった父)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本類
  • 第一次相続の相続人全員と、第二次相続の相続人全員の関係性がすべてわかる戸籍謄本
    (集めた結果、膨大な量になることがあります)
  • 数次相続の内容を明記した遺産分割協議書
    (生存している相続関係者全員の実印を押印)
  • 生存している相続関係者全員の印鑑証明書
    (発行後3ヶ月以内のもの)

数次相続の戸籍集めは、パズルを組み立てるような非常に根気のいる作業です。自分で進めるのが困難だと感じた場合は、無理をせずに行政書士や、手続き代行を行っている買取業者へ相談することをおすすめします。

【テンプレート付】遺産分割協議書の書き方|通常相続・数次相続

相続人が複数いる場合の手続きの要となるのが「遺産分割協議書」です。ここでは、具体的な書き方と、数次相続の場合の記載例をご紹介します。

自動車の相続で遺産分割協議書が重要になる理由

遺産分割協議書は、「相続人全員で話し合った結果、この車はこの人が相続することで全員が納得しました」という公式な証明書です。

この書類によって、運輸支局は相続に関する合意が正しく形成されていることを確認でき、安心して名義変更手続きを進めることができます。逆に言えば、この書類がないと、相続人が複数いる場合は手続きが一切進みません。相続人全員の実印が揃っていることが、何よりも重要なのです。

【通常相続用】すぐに使える記載例と押さえるべき4つのポイント

まずは、通常の相続(相続人が複数いるが、数次相続は発生していない)の場合の記載例です。以下の4つのポイントを必ず盛り込んでください。

【遺産分割協議書 記載例(自動車)】


                                  遺産分割協議書



被相続人:山田 太郎(昭和25年1月1日生)
最後の本籍:東京都千代田区千代田1-1
最後の住所:東京都千代田区千代田1-1-1
死亡年月日:令和5年10月1日

被相続人山田太郎の相続人全員は、その遺産について協議を行った結果、以下の通り分割することに合意した。

1. 次の自動車は、相続人 山田 花子 が取得する。

登録番号:品川300 あ 12-34
車台番号:ZVW30-1234567
車名:トヨタ
型式:DAA-ZVW30

上記協議の成立を証するため、本協議書を1通作成し、相続人全員が署名押印の上、相続人 山田 花子 がこれを保管する。

令和6年4月1日

相続人
住所:東京都千代田区千代田2-2-2
(署名)山田 花子 (実印)

住所:東京都新宿区西新宿1-1-1
(署名)山田 一郎 (実印)


押さえるべき4つのポイント
  • 被相続人の特定:氏名、生年月日、死亡年月日、最後の住所・本籍を正確に記載する。
  • 自動車の特定:車検証を見ながら、登録番号(ナンバー)と車台番号を絶対に間違えないように記載する。
  • 誰が相続するかの明記:「相続人〇〇が取得する」とはっきりと記載する。
  • 相続人全員の署名と実印:相続人全員が自署し、各自の市区町村役場に登録した実印を押印する。

【数次相続用】第一次・第二次相続の内容を1枚にまとめる書き方

数次相続の場合、遺産分割協議書はさらに複雑になります。第一次相続と第二次相続の内容を1枚の書面にまとめて記載するのが一般的です。

【数次相続用 遺産分割協議書 記載例のポイント】


                                  遺産分割協議書



【第一次相続】
被相続人:山田 太郎(祖父)
(略)

【第二次相続】
被相続人:山田 一郎(父)
(略)

被相続人山田太郎の相続につき、その相続人の一人である山田一郎が遺産分割協議未了のまま死亡したため、山田太郎の共同相続人である山田花子(祖母)と、山田一郎の共同相続人である山田和子(母)及び山田健太(子)は、山田太郎の遺産分割について協議を行った結果、以下の通り合意した。

1. 次の自動車は、山田一郎の相続人である 山田 健太 が取得する。

登録番号:品川300 あ 12-34
(以下、車両情報)

上記協議の成立を証するため、本協議書を1通作成し、署名押印の上、山田健太がこれを保管する。

令和6年4月1日

(署名)山田 花子(祖母) (実印)
(署名)山田 和子(母) (実印)
(署名)山田 健太(子) (実印)


数次相続の遺産分割協議書作成の注意点
数次相続の遺産分割協議書は、誰が誰の相続人で、誰が誰の権利を引き継いだのかという関係性を正確に記述する必要があり、法的な専門知識が求められます。記載内容に不備があると、運輸支局で受理されず、相続人全員から再度実印をもらい直すという大変な手間が発生します。
作成にあたっては、行政書士などの専門家に相談するか、相続手続きに詳しい買取業者にひな形を確認してもらうことを強く推奨します。

廃車・売却で戻ってくるお金は?税金・保険の還付金手続きガイド

面倒な手続きを乗り越えると、払い過ぎた税金や保険料が戻ってくる可能性があります。これも相続財産の一部となりますので、忘れずに手続きしましょう。

自動車税(種別割)の還付金|誰がいつまでに手続きする?

自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の所有者に1年分が課税されます。年度の途中で車を廃車(抹消登録)した場合、残りの月数分の税金が月割りで還付されます。

還付金は、原則として相続人の代表者に支払われます。自治体によっては、還付金の請求時に相続関係を証明する書類の提出を求められることがあります。名義変更や売却だけでは還付は発生せず、抹消登録が条件となる点に注意が必要です。

自動車重量税の還付金|「永久抹消」が絶対条件

自動車重量税は、車検時に次の車検までの期間分を前払いしている税金です。この還付を受けられるのは、車検の残存期間が1ヶ月以上ある状態で、「永久抹消登録」を行い、かつ車両の解体が完了した場合のみです。

一時的に使用を中止する「一時抹消登録」や、名義変更、売却では還付されません。還付金は、永久抹消登録を申請する際に指定した口座(通常は相続人代表者の口座)に振り込まれます。

忘れがちな自賠責保険の解約返戻金を受け取る方法

自賠責保険も、車検期間に合わせて長期契約していることがほとんどです。保険期間が残っている状態で車を廃車にした場合、保険会社に連絡して解約手続きを行うことで、残りの期間に応じた解約返戻金を受け取ることができます。

ただし、解約手続きの前に、まず保険契約の名義を故人から相続人へ変更する「権利承継手続き」が必要になるのが一般的です。必要書類は保険会社によって異なるため、契約している保険会社のカスタマーサービスに問い合わせてみましょう。

相続手続きと車の処分にかかる費用はいくら?

車の相続手続きには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。自分で手続きする場合と、専門家に依頼する場合の費用の目安を知っておきましょう。

自分で手続きする場合の費用内訳(書類取得費、登録手数料など)

すべて自分で手続きを行う場合、実費として以下のような費用がかかります。

項目費用の目安
戸籍謄本類の取得費1通 450円~750円。数次相続などで関係者が多いと、合計で1万円以上かかることも珍しくありません。
印鑑証明書の取得費1通 300円前後 × 相続人の人数分
移転登録印紙代500円
ナンバープレート代約1,500円~2,000円(管轄が変わる場合のみ)
車庫証明書取得費約2,500円~3,000円

これらの実費に加えて、役所や運輸支局へ何度も足を運ぶための交通費や時間がかかることを考慮しておく必要があります。

行政書士など専門家への依頼費用の相場

書類収集や遺産分割協議書の作成、運輸支局での手続きなどを専門家に依頼する場合、その報酬が発生します。

専門家への依頼費用相場

  • 行政書士:3万円~8万円程度
    相続関係の調査や戸籍収集、遺産分割協議書の作成など、依頼する範囲によって費用は変動します。数次相続のような複雑な案件は高額になる傾向があります。

費用はかかりますが、煩雑な手続きから解放され、時間を節約できるメリットは大きいと言えるでしょう。

廃車と売却の損益分岐点|車の価値を正しく知る方法

「古い車だから、費用をかけて廃車にするしかない」と思い込んでいませんか?実は、それは大きな間違いかもしれません。

廃車費用と売却価格のリアル

  • 廃車費用:自分で解体業者に依頼すると、解体費用やレッカー代で1万円~3万円程度の費用がかかることがあります。
  • 廃車買取:一方、廃車買取を専門とする業者に依頼すれば、どんなに古くボロボロの車でも、鉄資源やパーツとしての価値を評価し、0円以上(数千円~数万円)で買い取ってくれるケースがほとんどです。ディーラー下取り0円の罠で処分費用を請求されそうな車でも、値段がつく可能性は十分にあります。

損をしないためには、まずその車にどれくらいの価値が残っているのかを正しく知ることが重要です。複数の買取業者に見積もりを依頼し、相続手続きの代行まで含めて相談してみるのが最も賢い方法です。

手続きが複雑で進まない…状況別・専門家の選び方と相談先

「もう何から手をつけていいか分からない」「相続人同士で話がまとまらない」など、自分たちだけでは解決が難しい状況に陥ることもあります。そんな時は、専門家の力を借りるのが最善策です。

書類収集や法的手続きに不安があるなら「行政書士・司法書士」

戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成といった書類作成のプロフェッショナルが行政書士です。法的に不備のない正確な書類を作成してくれるため、運輸支局での手続きもスムーズに進みます。不動産など他の財産もまとめて相続手続きをしたい場合は、司法書士に相談するのも良いでしょう。

相続人間でトラブルが発生しているなら「弁護士」

遺産分割協議で相続人同士の意見が対立し、「話がまとまらない」「揉めている」という状況であれば、相談先は弁護士一択です。他の相続人との交渉や、家庭裁判所での調停・審判といった法的な紛争解決を代理人として行ってくれます。

書類手続きをまとめて任せて楽に処分したいなら「相続専門の買取・廃車業者」

「法的なトラブルはないけれど、とにかく手間をかけずに車を現金化・処分したい」というニーズに最も応えてくれるのが、相続案件に強い自動車買取・廃車業者です。

相続に強い買取業者に相談するメリット

  • 手続きの無料代行:煩雑な名義変更や抹消登録の手続きを無料で代行してくれます。
  • 書類サポート:遺産分割協議書のひな形提供や、必要書類に関する的確なアドバイスがもらえます。
  • ワンストップ対応:書類の相談から、車両の引き取り、売却代金の支払いまで、すべて一つの窓口で完結します。
  • どんな車も買取:動かない車や車検切れの車でも、レッカー代無料で引き取り、0円以上の買取価格を保証してくれる場合が多いです。

特に数次相続のような複雑なケースでは、どこに相談すれば良いか迷うことが多いですが、まずは車のプロである買取業者に現状を話してみるのが、解決への一番の近道かもしれません。

まとめ

名義変更前に亡くなった方の車を処分する手続きは、通常の売却や廃車とは異なり、「相続」という大きなステップを挟むため、非常に複雑に感じられるかもしれません。

この記事の重要ポイント振り返り
  • 故人の車は相続人全員の共有財産であり、勝手な処分は絶対にNG。
  • 処分するには、原則として相続人への名義変更が先に必要。
  • 相続手続きの第一歩は、故人の出生から死亡までの戸籍謄本を集め、相続人を確定させること。
  • 相続が重なる「数次相続」は、二世代分の戸籍が必要になり、手続きが非常に複雑化する。
  • 相続人が複数いる場合、「遺産分割協議書」に全員の実印を押すことが必須。
  • 手続きが面倒な場合は、名義変更から売却までワンストップで代行してくれる買取業者に相談するのが最も効率的。

特に、遺産分割協議が終わらないうちに相続人が亡くなってしまう「数次相続」は、必要書類が膨大になり、関係者の合意形成も難航しがちです。しかし、やるべきことを一つひとつ整理し、正しい手順を踏めば、必ず解決できます。

もし、ご自身で手続きを進めるのが難しいと感じたら、決して一人で抱え込まないでください。行政書士などの専門家や、私たちのような相続案件の取り扱い経験が豊富な買取業者に相談することで、肩の荷が下り、スムーズに問題を解決できるはずです。大切なご家族が遺された車を、トラブルなく、納得のいく形で手放せるよう、この記事がその一助となれば幸いです。

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